黒猫*溺愛シンドローム
「くるみちゃんって、いい子だよね。さすが、浅海さんの友達だね。」
隣を歩く“あゆちゃん”が、にこにこしながら言った。
……まさか。
くるみとこいつに接点ができるとは思わなかった。
私はこんな性格だから、友達らしい友達なんて皆無で。
唯一、つき合いがあるのが幼なじみのくるみと修司だけだったりする。
修司は男だから、しょっちゅう一緒にはいないけど……
くるみとは、行動を共にすることが多くて。
幼なじみ以上…いわば、
“親友”と言ってもいいくらいの仲。
だから、お互いのことは知り尽くしてるわけで……
「応援する、って言ってくれたんだ。」
「……は?」
「くるみちゃんとは気も合いそうだし、末永く、良好な“友達づき合い”ができそうだよ。」
「はあっ?」
「でも、やっぱり近所に家を建てるのは無理かなぁ。
俺、一応長男だし、家も改築したばっかりなんだよねぇ。」
困ったように笑ってるけど……何の話?