黒猫*溺愛シンドローム
「……A型。」
みんなそうは思ってくれないけどね。
むしろ“B型”だと思われがちな私。
「へぇ……」
「AとABって、あんまり相性よくないんだよね。」
「へっ?」
「私たち、うまくいかないと思うよ?」
だから、諦めてほしい。
そんな思いをこめていったはずなのに……
「俺、そういうのあんまり気にしないから。」
王子様はさらっと言い放った。
「血液型って、あくまで生物学上の分類みたいなものでしょ?
これだけたくさん人がいるんだから、すべての人に同じように当てはまるわけがないじゃない?」
……確かにそうだけど。
「それに……」
言葉を詰まらせる私に向かって、更に続ける。
「カリンと俺は、うまくいってるもん。」
「……はっ?」
「動物に血液型があるのかどうかはわからないけど…
そういうのを抜きにして、うまくいってるから。
相性って、そういうものでしょ?」