黒猫*溺愛シンドローム
背中に感じる、柔らかい感触。
ふわりと私を包み込む、最近馴染んだばかりの香り。
私の視界には、天井。
……って、ちょっと!
「あんた、何して……」
慌てて起き上がろうとしたのに、
「寝心地いいでしょ?カリンが来たときに、広くて柔らかいのにしたから。」
私をベットに押さえつけたまま、“変態”王子はにっこり微笑む。
「そういう問題じゃなくて……」
なんで、こうなるわけ?
これじゃ、まるで……
「気に入ったなら、泊まってっていいよ?
カリンも一緒に、みんなで寝よう?」
言いながら、無邪気にベットに上がってきて、私の横に……
「ちょっと!」
これは“天然”?
それですむ問題?
私を猫と一緒にしてるの?
それとも……
何れにせよ、この状況はヤバイ。逃げなきゃ。
「ちょっと!どいて。放してっ。私は猫じゃないっ」
力を振り絞って、必死に抵抗した。
……のに。
「……知ってるよ?
さすがに俺も、猫には欲情しないから。」