黒猫*溺愛シンドローム




「前にも言ったと思うけど、好きになった“女の子”は浅海さんが初めてだから。
当然、キスもあれが最初だし、こういうことも浅海さんにしかしたことないよ?」



言いながら、私の涙をそっと拭う。


その声と瞳があまりにも柔らかくて……不覚にも、一瞬ドキッとしてしまった。



「浅海さんとしかしたいと思わないし……」



なんか、さらっとすごいことを言われてるような……



「だから、安心して?大丈夫だから。」



……何が?私に何を安心しろと?


むしろ心配なんですけど。



「そういうわけだから……」



にっこり笑うと、再び顔が近づいてきて……



「はっ?ちょっ……」



当たり前みたいに重なる唇。

でも、今度はそれだけじゃ終わらなくて……



「ん…んーっ?」



深く、熱く、絡め取られるような感覚。


これって、いわゆる……


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