黒猫*溺愛シンドローム




「楽しみだなぁ」



にっこり笑って、

ちゅっ、と大袈裟な音を立ててキスをして。



「早く、俺のことを好きになってね?」



王子は、私をぎゅーっと抱きしめた。



「ちょっと……」



ここはベットの上で。


私の洋服は脱げかかっているわけで……


なんか……



「……じゃあ、せっかくだから、行けるとこまで進んでおこうか?」



「……はっ?」



「浅海さん、意外に抵抗しないし…そんなに嫌じゃないってことだよね?」



……はいっ?



「この際、カラダから入るっていうのもアリかなぁって。」



コイツは……爽やかな笑顔で、何言ってるの?



「じゃあ、早速……」



呆れすぎて何も言えないでいる私に、確実に迫ってくる“貞操の危機”。


……もうダメかも。


そう思って、ぎゅっと目を瞑った……とき。


チリンと鈴の音がして、
身体に感じたかすかな重み。


そして……



「にゃーっ…」



聞こえた、声。


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