ただ君が好きで、
夏羽ちゃんは他校の秀介の彼女。
たまたま同じ電車になって仲良くなったらしい。
「……お前は?」
小さく言った秀介に俺は苦笑いを浮かべた。
『どうだろうなー…分かんねー』
唯一秀介には雪菜への気持ちを話していた。
『大体…朝は一緒に来てるけど一応彼氏もいるわけだしな…』
ははっ、と小さく笑うと秀介にがしゃがしゃと髪を掻き交ぜられた。
「んなに暗い顔すんな、言ってみろよ!分かんねぇじゃん?」
『…そうだな、サンキュー!』
「その笑いこそが優太だ!」
『ははっ!かもな』
お返しに今度は俺が髪を掻き交ぜてやってから教室に戻った。