ただ君が好きで、
ただぼんやり見て居ると、周りで数人の男がため息をついているのが見えた。
"あんなんじゃ勝ち目ねぇな"
"瀬川の事、狙ってたのになぁー"
"お前もかよー!"
そいつらはそれ以上何も言わずに去って行った。
雪菜は確かにモテる。
だからあいつは迎えに来て、周りに俺のだと言う事を意識付けているのかもしれない。
『…はぁ』
俺は一つため息をついて、また校門を見た。
その時、ちらっと下に居るそいつと目が合った。
軽く笑ったそいつ。
それから雪菜と一緒に歩いて行った。
『……んだよ』
俺はそれを見てから部室に向かった。