ただ君が好きで、
びくり、と身体が固まるのが感じた。
だけどゆっくりと振り向くと、ベンチに座ってこっちに向かって大きく手を振る雪菜と目があった。
『…やっぱり雪菜かー!どこのバカップルかと思ったぞ!』
嘘だ、ぱっと見て気づいてた。
バカップルなんて思ってないし、二人で居るのなんか見たくない。
「ちょっ!!…バカップルじゃないわよ!…優太は今帰り?」
『おう!試合前だから大変でな!』
「レギュラーになれたの?」
『あぁ!すげーだろ?』
俺の声を聞いてパッと華やかに笑う雪菜を見て、また胸が痛んだ。
だって、雪菜の笑顔の1番近くにはあいつが居るんだからな…。