ただ君が好きで、
教室まではあと100メートルぐらいだろう。
下駄箱まではあと20メートルぐらい。
俺達の肩の高さは20センチ程違う。
…俺と雪菜の並ぶ距離はわずかに15センチ程度しかない。
けど、このわずかに開いた距離が数十メートルぐらいに俺は感じている。
いつでも手が届きそうで、けど届かない。
太陽のようなもの。
「優太ー?ちゃーん歩かないと遅れるよ?」
『…分かってるっつーの!』
「分かってなかったでしょ?ほら~!行くよ?」
『おう!』
呆れながらも先を歩いて待っている雪菜。
俺は一度軽くため息をついてからその背中を追うように校舎に入った。