ふさんテル(原作)
第2章「狐」
私は、ただ呆然と
目の前に広がる草原を
見つめていた



「おい、そこのもの
そこでなにをしている!」


誰?


私が振り返るとそこにはちょっと大きなのキツネがいた


なんだキツネか…


「おいっ、質問に答えろ!!」



えっ
しゃべってるよ!!!

人間の言葉を!


しかもなんか生意気っ


「な、なんでしゃべれるの!?


キツネは笑いながら、

「何言ってるんだ?
お前だってキツネだろう、
しゃべれるだろう?」



はい?

キツネ?

私が?


どうみても人間でしょ。

私はふいに自分の体に
目をやった


キツネ色の毛…

肉球…

ふさふさの尾…



キツネだ。

キツネだね…



あれ?
私人間だよね…

死んだけど。


死んだ…?

あっ、
生まれ変わりってやつかな?
    
私、キツネに
生まれ変わったってこと?
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