LOVE GAME
名演技
「 三上さんっ 」
無事(?)に資料を届けて
タクシーに乗り込んで、
かなり時間は経ったと思う。
「 なに? 」
まともに話ができるような
雰囲気ではないけど、
未だにがっちり掴まれたままの腕が
気になって仕方なかった。
「 腕・・・ 」
あたしが視線を落すと、
”あぁ・・”と短く返事をして
腕に力を入れた。
驚いて顔を上げると、目が合って
「 離さないって言ったら? 」
「 え? 」
「 あの会社じゃ、俺たちは恋人として
見えてたんだろうな?じゃあ、このまま
アイツじゃなくて俺と・・・って言うのは
考えられない? 」
何を 言っているのか
あたしにはよく分からなくて。