LOVE GAME




「 和真はあたしを叱るんじゃなくて
  いつもは出さない自分をぶつけるだけで
  あたしは叱られたなんて思ってないです 」





不意に見せる、いつもとは違う
寂しそうな笑顔とか、
その表情1つ1つがあたしにとっては
すごく貴重だったりして、





「 ・・・それに、嘘はだめです。
  三上さん演技うまいけど、
  騙されませんよ? 」





あたしが笑うと、ふっと、三上さんも
一緒に笑って、あたしの両手を退けた。





「 演技には自信があったんだけどなぁ・・ 」





”参った”と、髪をかき上げて、
視線を足元に落すと、





「 けど、もうそのメイクは絶対だめだ。
  今日みたいなことが社内で起こったら
  アイツが警察に送られそうだからな 」


「 ・・はい 」



「 それから、俺の気持ちは本当。
  アイツが大声で同棲発言する前から
  俺は知ってたわけだから、
  諦めはついてたけどな? 」





乾いた笑い声が、車内に響いて
あたしはどうすればいいのか分からなかった。






< 135 / 229 >

この作品をシェア

pagetop