LOVE GAME
「 和真はあたしを叱るんじゃなくて
いつもは出さない自分をぶつけるだけで
あたしは叱られたなんて思ってないです 」
不意に見せる、いつもとは違う
寂しそうな笑顔とか、
その表情1つ1つがあたしにとっては
すごく貴重だったりして、
「 ・・・それに、嘘はだめです。
三上さん演技うまいけど、
騙されませんよ? 」
あたしが笑うと、ふっと、三上さんも
一緒に笑って、あたしの両手を退けた。
「 演技には自信があったんだけどなぁ・・ 」
”参った”と、髪をかき上げて、
視線を足元に落すと、
「 けど、もうそのメイクは絶対だめだ。
今日みたいなことが社内で起こったら
アイツが警察に送られそうだからな 」
「 ・・はい 」
「 それから、俺の気持ちは本当。
アイツが大声で同棲発言する前から
俺は知ってたわけだから、
諦めはついてたけどな? 」
乾いた笑い声が、車内に響いて
あたしはどうすればいいのか分からなかった。