LOVE GAME




「 和真っ・・ 」




小声で名前を呼ぶと
テーブルの下で
あたしの手を握って




「 緊張しすぎ。
  もっと楽にやれば
  いいんだよ 」


「 そういわれても・・ 」




彼氏の親に挨拶なんて
したことがないから
分からないし、
先週の見苦しい自分を
上書きできまいかと
肩に力が入ってしまう。




「 ミスったらフォローいれるし
  出張とか上司と話すときは
  お前いつもできてるだろ? 」




”同じように、うまく気を
  遣って笑ってればいいんだよ”




そう言って あたしの手を
ゆっくり放すと、お母さんが
戻ってきて、手際よく
テーブルにケーキを並べていった。







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