LOVE GAME




「 先に降りる? 」




会社の駐車場につくと
彼は速度を落しながら聞いてくる。




「 一緒に行きたい 」




少しでもあたしの負担を減らそうと
彼なりに気を遣ってくれている。
だからこそ、気を許せたりもする。




「 恋人同士みたいだってさ 」




廊下を歩いていると耳に入る言葉を
和真さんと2人で笑っていた。
あたし達は、友達以上ではあっても
恋人ではないから。




「 帰りはどうする? 」


「 あたし、まだ残業が・・・ 」


「 手伝うから一緒に帰ろう? 」


「 いつもすいません・・ 」




助け合って、生きてる。
彼の心の痛みを癒せたら、いいのに。
彼のすきなひとが、彼をすきになったら
彼は幸せになれるのに。






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