虹色の三日間

角を曲がったところの椅子に山本梓が座っていた。彼女は俺に気づいてないみたいだ。下を向いて………泣いてる?


声をかける前に、彼女が顔を上げ俺に気づいた。びっくりしたような表情をしたあと、顔を拭いて笑顔を見せた。


「へへ……、嫌なところ見られちゃった。」


胸がズキッとした。彼女はみんなと離れるんだ、悲しくないわけがない。これだけ盛り上がっているみんなを見ても、楽しく感じるわけじゃないのかもしれない。


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