虹色の三日間
一日目
世の中は汚れてない。
俺には好きな子がいる。同じクラスで、名前は山本梓。少し静かな子だ。
二年生になった初日のこと。いつもどおり学校に行こうとして、陸橋を歩いてたんだ。ふと下を見たら歩道橋に子猫がいた。信号は赤、いつ車が来てもおかしくなくてすごく危なかった。
歩道を歩く人々は気付いてない。助けに行こうとした瞬間、女の子が飛び出して子猫を抱いて走ってったんだ。その子が山本梓だった。
そのあとすぐに車が通って、間一髪って感じだった。彼女はその場に座り込んで泣いていた。すごく怖かったんだと思う。子猫は、彼女に抱えられたまま鳴いていた。