虹色の三日間
受け取ったものを見るとオレンジジュースだった。
「あ……ありがとう。お金は返すよ。」
「いいよ、たかがジュース1本。」
そう言いながら缶を開けて、飲んでいた。彼女が手にしているのはアップルジュース。なんか、いつもと雰囲気が違う気がする。
「何で……何で自分の為に人が動くことが嫌なの?普通は嬉しいんことじゃないん?」
「…私は、私の為に人が動くほど価値がないから。」
何故こんな重い会話になったんだろう。彼女は俺が思ってた人と違う。そんな気がした。それから、宏樹の一言を思い出した。
「山本はお前が思ってるような子じゃないかもしれないぞ。」
「何でそんな風に思うんだ?君が喜んでほしいからみんな動くんだよ。価値がないとか言うなよ。」