虹色の三日間
彼女は俺のことが好きだ。しかも本気。俺はその気持ちに答えることができない。いつも適当に話すだけだ。
「山本は?」
「梓?なんかね、引っ越すって言っててさぁ、みんなに捕まってる。」
「引き立て役がいなくなるね~。困る?」
「そうだね。まぁ、他にもいっぱいいるし。」
世の中は腐っている。梓がいつも俺にメールしてくる。人は信じれない。価値も決まってる。差別社会だ。ってさ。
「あ、チャイム鳴ってんじゃん。一緒に帰ろうよ。」
「俺サボる。」
「じゃあ、あたしも。」
「だぁめ、早く行って。」
「え~。」
綾香はしぶしぶ屋上の扉を開けた。キィっと、錆び付いた扉が閉まるときの独特な音が響く。屋上には俺しか残っていたない。