虹色の三日間
梓は誰かに否定してもらいたいのかもしれない。世の中は腐ってないよって。彼女が一番世界を愛している。信じたい。価値なんか決めれないって知っている。でも、反対のことを言ってないと駄目なんだろう。彼女が見てきたものは酷すぎる。だから…………。
放課後になり、いつものように裕紀と帰っていた。そうしたら梓が引っ越すってことを俺に話してきた。
「転校!?びっくりだな。お前も災難だな~、気持ちを伝えることすらできなくてさ。」
最初っから知らなかったように演技する。裕紀は三日で何とかするって言ってた。まったく、こいつは純粋すぎるよ。
梓が家に入りそうだったから適当にエールを送って隠れてみた。笑いながら様子を見る。俺っていいやつじゃね?
裕紀は相当焦っているようだ。携帯を取り出すだけなのに動作が激しい。メアドでも聞いたのか?