虹色の三日間

二日目


朝、学校につくなり綾香に腕を引っ張られ屋上に連れていかれた。HRまで時間は結構ある。


「何だよいきなり?俺は朝からツレと下ネタ満載トークをするつもりだったのに。」


フェンスにもたれながら空を見る。盛り上げ役は大変だ。このテンションを維持して、みんなに声をかけて、笑顔を作って、話題を見つける。俺がしたいからしてるだけ。


作った笑顔も、キャラも、バカ達は気付かない。素直に受け入れる。気付いても言わない。俺の感情に興味がないから。興味があるのは、場の空気、クラスの自分の位置、自分自身の痛みを包んでくれる人。


「何でメール無視したのよ?梓の送別会したいから宏樹も来てって送ってたでしょ?」

「え?返事してたっしょ?」

「来てないし!」

あからさまにムスッとする。美人は何やっても可愛いなぁ。見た目だけは。差別社会ってのはどう考えても当たっている。ブスが頬を膨らまして綾香みたいに怒っても気持ちが悪いだけだ。そんなやつに構ったりしない。お金があったら別問題だけどね。

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