虹色の三日間
綾香に見えるようにわざとらしく携帯を見る。来てない?そりゃそうだ、返信なんかしてない。それどころかメールさえ開いていない。
「悪い悪い、なんか保存されてて送れてねぇや。」
保存されているのは梓に送ろうとしたメールだ。綾香は納得した様子でいる。
「山本の送別会かぁ、そんなに親しくなかったしなぁ。折角だからクラスのみんな誘えば?」
「え~。少人数でやった方が良くない?」
少人数でカラオケにでも入って、俺の隣に座って、ありったけ露出して誘惑したいんだろうなぁ。だから嫌なんだよ。
「クラス会こみってことですれば?少人数なら行かないし。騒がしい方が良いだろう?」
「…………うん。じゃあそうする。」
綾香の肩を叩きながら屋上から降りる。盛り上げ役の俺の周りにはいつも大勢の人がいる。その中にいると落ち着く。いてもいなくても良いんだなぁと思う。気が楽なんだ。