虹色の三日間
遠くから彼女を見つめるだけだった俺。クラスメイト、それ以上でも以下でもない。三日でその関係を動かせるだろうか…。
気が付いたら彼女の家の50m手前にいた。ど、どうするべきだ?慌てていると、宏樹が「とりあえず話しかけてこい」と言いはなち姿を消した。
たぶん、すぐ近くに隠れてるんだろう。しかし、今の俺には彼女しか見えていない。あと10mもない。今動かなければ、こうなれば勢いだ!
「あ…あああ……あの!」
本当に勢いでいってしまった。普段の俺は、女子と絡みがない。何を話せばいいのか全く検討もつかない。計画をたてておかなかった俺は馬鹿だ。
宏樹はきっと、隠れて笑っているだろう。山本梓が振り返る。そして口を開く
「宮城君じゃない。何?私?」
「えっと、その、あの……。」
「ん?」
首を傾げる仕草。計算するような子じゃないのは知っている。天然なのだ。少し高めの声、ものすごく可愛い。