虹色の三日間

遠くから彼女を見つめるだけだった俺。クラスメイト、それ以上でも以下でもない。三日でその関係を動かせるだろうか…。


気が付いたら彼女の家の50m手前にいた。ど、どうするべきだ?慌てていると、宏樹が「とりあえず話しかけてこい」と言いはなち姿を消した。


たぶん、すぐ近くに隠れてるんだろう。しかし、今の俺には彼女しか見えていない。あと10mもない。今動かなければ、こうなれば勢いだ!


「あ…あああ……あの!」


本当に勢いでいってしまった。普段の俺は、女子と絡みがない。何を話せばいいのか全く検討もつかない。計画をたてておかなかった俺は馬鹿だ。


宏樹はきっと、隠れて笑っているだろう。山本梓が振り返る。そして口を開く


「宮城君じゃない。何?私?」

「えっと、その、あの……。」

「ん?」


首を傾げる仕草。計算するような子じゃないのは知っている。天然なのだ。少し高めの声、ものすごく可愛い。

< 6 / 95 >

この作品をシェア

pagetop