虹色の三日間
梓のすべての邪魔はしない。でも、裕紀に近づいてほしくない。どちらとも俺には大切な人だ。裕紀が太陽なら梓は月。
梓の為に感情は出さない。森本由香への気持ちも封印する。それが俺、前田宏樹だから。
二次会が終わり家に帰った。携帯を見ても梓から返信はない。代わりに綾香からメールが届いていた。
そう言えば、送別会のとき全く俺に話しかけてこなかったな。ベットに転がり、暇潰しがてら、なんとなく綾香のメールを開く。
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│□沢田綾香 │
│□**/** **:** │
│あのさ │
│――――――――――│
│今さらだけど本気で │
│ │
│好き │
│ │
│メールで返して。 │
│返さなかったら │
│森本のこと言いふらす│
│ │
│ │
└──────────┘
いつもは通らない道をなんとなく通ったら、犬のフンを踏んだりすることない?犬のフンじゃなくて猫のフンでも大丈夫。いやいや、フンじゃなくてとりあえず嫌なこと起こっちゃったとする。んで、通らなきゃ良かったって後悔するじゃん。
そんな気分になった。いつもは開かない綾香のメールを開いたら、開いたら……………。逆に開いて良かったのかもしれない。メールを見てなかったらバラされてたんだから。
ベットに携帯を投げつけて壁を蹴る。
くそ!何で?何で?何で知ってんだよ?裕紀にもバレてないんだぞ?お前は誰から聞いたんだ?誰も知らないはずなのに…。自分で気づいた?そんな馬鹿な…。