虹色の三日間

「他に聞かないのか?」


缶を開けてオレンジジュースを飲む。


「深いことは聞かないことにする。お前が自然と話す気になるまで。」

「俺の何を知って言ってんだよバーカ。」

「なんとなく言ってみただけ。」

「はは、本当に馬鹿だな。」


裕紀も缶を開けてリンゴジュースを飲み始めた。空は雲ひとつない。こいつとはじめて一緒に帰ったときも雲がなかったっけ。


「いつかさ……いつか絶対に話すから。少し待ってくれないか?」

「約束するか?」

「おう、約束する。」


ジュースを飲み干し、ゴミ箱に向けて缶を投げた。しかし、力が強すぎたらしく大きくそれてしまった。


< 77 / 95 >

この作品をシェア

pagetop