虹色の三日間

宏樹がため息をつき、早歩きで校舎の中に入っていった。梓が横で何かを呟いたようだったけど、私には関係ない。


例え友人が宏樹を好きでも私には関係ない。諦めるわけないし、私が負けるわけないもん。私は私さえよければそれでいいもん。人間みんなそうでしょ?自分を犠牲にして他人を助ける人なんていない。


今日はこんなにも空がきれいだし、桜もなんとなくピンクっぽい。きっと良いことがおこる!

「私ね、終業式が終わったら岡山に引っ越すの。つまり、転校するの。」


ってわけでもなかった。昼休み、五、六人でお弁当を食べていたときに梓が急に言ってきた。食べかけていたミートボールを口の中に入れる前に落としてしまった。周りは賑やかだけど私たちの周りだけ何故か静かになってしまった。


「進路に影響するよ?何で?嘘でしょ?」


一人が梓に問いかける。そりゃそうよ!嘘に決まってるじゃない。何より私から離れたら駄目なの。


「大丈夫。どうせ働く気でいたから、成績悪くたって気にしない。それに、仕方ないの。家庭の事情だし。」


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