虹色の三日間
宏樹になら抱かれても良い。一回きりな関係でも良い。セフレでも良い。六年間も片想いしてんだよ?少しは応えてくれたって良いんじゃないの?
宏樹はふと何かに気付いたようにキョロキョロと辺りを見渡し、私に問いかけてきた。
「山本は?」
いつも一緒にいたから変に思ったのかしら?
「梓?なんかね、引っ越すって言っててさぁ、みんなに捕まってる。」
「引き立て役がいなくなるね~。困る?」
「そうだね。まぁ、他にもいっぱいいるし。」
その通り。引き立て役は山ほどいる。私は、男にモテてこそステータスを得る。私以外に惚れるなんてありえない!だから引き立て役は重要。私といたら、男共がいくらでも寄ってくる。だから、みんな私と仲良くする。そいつらみんな引き立て役。梓は、めっちゃくちゃ良かったのになぁ。
上級生がバトミントンを片付け出したと思ったらチャイムが鳴った。もう昼休憩が終わってしまった。宏樹ともっと二人っきりでいたかったのに。
「チャイム鳴ってんじゃん。一緒に帰ろうよ。」