虹色の三日間
誘いに乗ろうとしたら梓が横から遮ってきた。肩を揺らしている。走ってきたのだろう。断られた二人はこっちを振り返りながら店から出ていった。
私はびっくりして、口を開けたまま梓を見ていた。
「なんで…断ったの?」
「えっと…、とりあえずお店から出よう?」
そう言うと、私の腕をとりレジに向かう。250円を財布から出しながらポカンとしていた。
梓は今までナンパを断ったことがない。断らしたことがないってのが正確かな?誘いに乗るか乗らないかは、いつも私が決めていた。梓が意見を発したことはなかったし、興味もなかった。
まさか、誘いに乗りかけた私を遮って断るなんて…。