【【リセット】】
「でも最後に楽しく過ごして終わる人生ってのもいいかも。」


人生なんて考え方次第で変わるものだ。


次こそはきっと。


ぎし、ぎし・・・


ああ、あの足音はきっと母親のものだ。


階段を昇って、今度は廊下を歩いてくる。


ああ、早く。早く「リセット」しなければ。


3度目の母親は「普通」の母親だった。


それなりに教育やしつけには熱心だが、やはり子供の心境を理解するには至らない。


だから私はいじめられ、辛くて悲しくて「リセット」するのだから。


私は天井から吊るした縄に手をかけた。


かちゃり。


母親がドアノブに手をかけた。


「お母さん、ごめんなさい。」


そして私は「リセット」したのだった。
< 6 / 22 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop