オリオールの乙女
ノエルも、彼に全てを預けるようにして、体を傾けた。
しかしそれよりもギルがノエルの首に顔をうずめてきた。
「……ギル?」
ノエルはすぐ耳元にある彼を向いて言った。しかし、彼は何も言わなかった。
ギルは俯いているばかりだった。
ノエルは彼に何か言おうとして、体を少し離した。
しかし、彼は自分から離れようとするノエルを更に力を込めて抱きしめた。
「しばらくこのままでいさせてくれ」
ギルは、顔をうずめたままそう言った。
「……うん」
ノエルはそう言うと、彼の頭に自分の頭を重ねるようにして、首を傾けたまましばらく抱きしめられていた。
◇
「……!?」
地下室にいたバルバラが、身震いをした。