オリオールの乙女
二人は自然と手を繋いでいた。
何の呼吸も息吹も感じられなかった。この雄大な地に二人だけ、という感覚が恐ろしく感じられた。
「行きましょう」
ノエルはもうたじろぎなどしなかった。
禁忌の地に足を踏み入れ、どれほど非情な真理も受け入れる覚悟はできた。
彼女は誓った。
幼い頃からの夢と向き合うことを。
そうして、彼女は一人ではなかった。
ノエルが門をくぐると、彼女を守るようにして、ギルがあとから追った。