ダイヤの原石
すると土下座コールは少しずつ早く勢いを増していった。


辺りは土下座コールと手を叩く音でいっぱいだった。



膝立ちからぺたんとお尻を足の裏につける。


「ど・げ・ざ!ど・げ・ざ!」



両手の先を揃えて斜め上に向け、床につける。



「土下座!土下座!土下座!土下座!」



土下座コールはクライマックスを迎えるように早くなっていく。



私が顔を上に挙げて座り込んでいる佳奈の視線を真っ直ぐに見た。



すると土下座コールが一気に止んで辺りは緊迫した空気が流れた。


止めに入っていた先生の怒声も同じようにぴたっと止んだ。



佳奈は私の涙と鼻水でグシャグシャの顔を見て、今どう思っているだろう。



ざまあみろと思っている?


こんなことさせるつもりじゃなかったとでも思っているの?



佳奈は顎に手を当てて私を見ている。



私はそのままゆっくりと頭を下げて床に頭部をつけた。



「何か言うことは?」


愛莉が言う。
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