ダイヤの原石
「私が廊下を走っていたばかりにぶつかってしまってすいませんでした・・・」


すると愛莉がプッ、と小さく笑った。



そして周りも一気に笑い出す。


やっぱり椿に行ってもらえばよかったのかも・・・


いや、ほんの少しでも彼らの役に立ちたい!!


「まじでやったよ!ばっかじゃねぇの?!」



道穂が笑いながら言う。



私はただ唇を強く噛み締めて溢れ出てくる涙を必死に拭っていた。


絶対見違えるほど変わってやりたい・・・!!



私はその時強くそう思った。


笑いの雨が降り注ぐ中、私は立ち上がってすかさず職員室へと真っ直ぐ向かった。



体が震えて思うように走れない。


溢れ出てくる涙を堪え切れない。



職員室の前の水道で顔を洗い、ハンカチで拭いた。



そして私は大きく深呼吸を3回して職員室のドアをノックする。


「はいー、どうぞ!」



中から声がする。


私はそっと職員室の中に入った。
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