ダイヤの原石
川原に残った二人はお互いに黙って小川の流れる音だけを聞いていた。


すると歩夢が先に口を開いた。


「今の学校生活は楽しいの?」


「あぁ、最高に楽しいさ」


「どんな人たちがいるの?」


「明るくてきゃしゃな子、

いつも暴言ばかりだけど実は心想いなやつ、

いつも優位に立とうと自分をたたえるがいつも恥をかくやつ、

そして、今はおとなしすぎるがこれから変わろうときらきら輝いている子など、さまざまな人たちがいる」


「へぇー、あのとき私が家を出されたりされなければ私もその楽しい普通の学校生活を送れていたのかもね」


「・・・?家を出されたのか?」


「えぇ、丁度あんたと一緒に錠剤を飲んだ日・・・いや、正確にはあたしが一人で錠剤を飲んだ日にね!!」
< 114 / 126 >

この作品をシェア

pagetop