ダイヤの原石
歩夢は突然立ち上がって腰に手をのばす。


俺は気がひるんでいてやばい!と悟ったものの体がいうことをきかない。


歩夢は腰からナイフを取り出し俺に向かって振り下ろした。


俺はぐっと力を込めてぎゅっと目をつぶった。


「・・・・・・・・・・・?」


どうしたことか痛みがない。


おそるおそる目を開けてみると目の前には椿の背があった。


椿は太い木の棒でナイフをくい止めていた。


どうやら椿は俺を守ってくれたようだ。


「・・・椿!」


「だから二人きりはやばいっつっただろが!」


が、くい止めたのもつかの間、歩夢はひゅっひゅっと音をさせながらナイフを振り回す。


椿はそれに応えるようにかばっていく。
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