ダイヤの原石
愛
私は走っていた。


どこまでも続く道へ、どこへ辿りつくのかも分からない道へと。


すると突然愛莉たちが現れ囲まれてうしろからうしろからとクラスメイトが同じように囲む。


口々に文句を言ってきているが、何を言われているかわからない。


私は頭を抱え込みしゃがむ。

目をぎゅっと閉じると憧れである先輩の美華さんが、美樹が、遥夏が、椿が浮かんでくる。


そして千恵、文也、歩夢、長谷川と次々に瞼に浮かんできた。


そして歩夢がナイフで胸を刺した瞬間の光景が生々しく何度も蘇ってきた。


歩夢が倒れると遥夏が何かを叫んでいる。


よく聞こえない。


一生懸命聞こうとしてようやく声が聞き取れそうだが遥夏の声ではない。


「千尋」


その声が言った。


「千尋！おい千尋！」


目を開ける。
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