ダイヤの原石
じゃなくて!!!

感情に浸っている場合じゃない。

早く止めないと・・・

「あの!」


「あん?」

椿くんはキョロッと表情を変えてこちらを振り向いてきた。

「えと・・・な、なんで桜庭高校の場所を知りたいんですか・・・?」


「あれ、言ってなかったっけ?俺ら転校したんだぜ!あと1人いるけどな。」


頭のうしろで手を組んで「な!」と美樹さんに同意を求めるように聞いた。



「やめてよ!」



ハハハハハと椿くんは笑った。



美樹さんが細い目をして椿くんを睨んだ。

「おい、その顔不細工だからやめたほうがいいぞ。」


「カッチーン。」



シュッという音と共に美樹さんの長い足が椿くんのお腹めがけて放たれた。


しかし、椿くんもそれがわかってたのか反射的にか美樹さんの足をがっしり受け止めた。

しばらく美樹さんはぐぐぐぐとまだ足を押している様子だったが、諦めて足を下ろした。


「女の子が股を広げんなよな。」


美樹さんは一度鼻息を強く出し、腕組みをしてそっぽを向いた。


そのもう一人が美樹さんにとってどんな存在なのかがさっぱりわからなかった。


にしても暴力まで・・・

そんな仲・・・いや、どんな仲・・・・・・?

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