ダイヤの原石
椿くんに目を向けたが、椿くんも肩と両手をあげ、首を傾げてさぁ、とでも言いたげな顔をして椿くんも歩き出した。


何だったのよ・・・?


「ほら!右、左、どっちー?」

美樹さんがこちらに向かって曲がり角をどっちに行けばいいのかと大声で聞いてきた。


「あっ、左です!!」


私はふぅっと一つ小さな溜め息を吐いた。



美樹さんはマイペースだなぁ・・・。

「千尋ちゃんも早く来いよ!」

「あ、はい!」


私は止めていた足を動かし、走って椿くんと美樹さんのもとに駆け寄った。



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