ダイヤの原石
まわりで女子生徒がかっこいいと目を輝かせている。

椿くんと目が合った。


椿くんは手を軽くあげてこっちに合図した。

私もつられて小さく手をあげた。



「何?いまお化けに向かって合図した?」

「んなわけないじゃん!お化けの前の花子に向かってしたんだわ。」


ひそひそと声が聞こえてくる。


「それじゃぁ皆、仲良くするよーに!じゃ、橋村君も座って。」


山崎は手で椿くんの席を指した。



椿くんは自分の席に座った。


近くの女子が騒いでいる。


それから山崎の長い話は終わり、10分の休憩時間が与えられた。


椿くんの周りはすぐに人でいっぱいになった。


大量の質問攻めをされている。


そのとき、美樹ちゃんがドアから顔を覗かせた。


「美樹ちゃん!」


「あ!いたいた!ちびちゃん。」

美樹ちゃんは騒がしく思ったのか椿くんのほうを見た。


「ありゃー!こっちも大人気じゃない!あたしも逃げてきたんだよー!」


「そうだったんだ、皆とは馴染めそう・・・?」
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