ダイヤの原石
遙夏くんもああいうこと言うんだなぁ~。


少し笑えた。

「・・・・・・・ん?」


気がつくと皆がこっちを見ていた。


「・・・今・・・笑ったの?」


「え・・・と・・・はい。たぶん。」

「『フッ・・・』が笑い声かよ!」


椿くんが笑いこけながら言った。


「え・・・え・・・?」


どうやら私は声に出して笑っていたみたいだ。


「どうせなら笑っている表情も見てみたかったな。」



遙夏くんが優しい目でそう言った。


「よし!じゃぁまずは前髪を切ろうってことでマスク外してもらえるかな?」



椿くんが言ってるそばから私のマスクをびよーんと引っ張って取った。


「あぁぁ・・・、返して・・・。」



前髪で見えにくいが、必死に椿くんの手からマスクを取ろうとする。


「ちびのおまえが俺の手までたうかよ。」


椿くんが嫌味を言うように言ってきた。


それでも私は必死に取ろうと椿くんの前で背伸びしてみたり、ジャンプしてみたりする。





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