ダイヤの原石
「千尋ちゃん。


それは逃げてるだけだと思うよ俺は」


私はそれを言われてドキッとした。


「自分が弱くたってどんなに不細工だったって、


人間は誰だって変わることができる。

ただ、そのためには自分自身にも勇気がいる。


自分に自信を持つんだ」


「でも私は自分に自信を持つことが「それが逃げてるんだって!


でも私は。でも自分は。


全部君自身が逃げてるだけだろ?


おまえは独りじゃないんだ」


少し止まりかけた涙がまた溢れ出してきた。


遥夏くんが私の頭を撫でてくれた。



私はその優しさが嬉しくて堪らなかった。


「ね・・・うっ!はる・・・か・・・くん」



「ん?遥夏でいいよ」


「・・・はるかぁ・・・・・・」


「なんだ?」



「私でもまだ・・・間に合う・・・かな?」
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