ダイヤの原石
私の歩こうとする場所にいるクラスメイトがさーっとよけていく。
まるで大物女優が歩いていて皆が道を開けてくれているような光景だ。
イスの上で踊り狂うたくさんの押しピンの1個や2個が途中で落ちたりしたが、構わずにゴミ箱に向かって歩く。
徐々にまわりの声が小さくなっていって、気がつけばクラス中の皆が私の行動に注目していた。
それでも私は俯いたまま冷静にゴミ箱の蓋を開け、イスをななめにして押しピンをざーっと流し捨て、そのままゴミ箱の蓋もせず自分の席へと戻ろうとして振り向いた目の前には林 愛莉(はやし あいり)とその他4人の派手な格好をした女子がいた。
「ねぇあんた、まじその面(つら)ムカつくんだけど。あたしらに喧嘩売ってんの?」
私は何も言わず黙って、避けて席に戻ろうとしたが、うしろにいた4人のうちの2人がだるそうにゆっくりと歩いて避けようとする私の前に立ちはだかった。
「はいはい逃げないのー。」
2人のうちの1人、背の高い道穂(みちほ)は私を上から目線で睨みつけ、片手で私の体を突きとばした。
私は少しよろめいたがすぐ体勢を立て直した。
「何とか言ったらどう?」
横から愛莉がバカにしたような言い方で言った。
まるで大物女優が歩いていて皆が道を開けてくれているような光景だ。
イスの上で踊り狂うたくさんの押しピンの1個や2個が途中で落ちたりしたが、構わずにゴミ箱に向かって歩く。
徐々にまわりの声が小さくなっていって、気がつけばクラス中の皆が私の行動に注目していた。
それでも私は俯いたまま冷静にゴミ箱の蓋を開け、イスをななめにして押しピンをざーっと流し捨て、そのままゴミ箱の蓋もせず自分の席へと戻ろうとして振り向いた目の前には林 愛莉(はやし あいり)とその他4人の派手な格好をした女子がいた。
「ねぇあんた、まじその面(つら)ムカつくんだけど。あたしらに喧嘩売ってんの?」
私は何も言わず黙って、避けて席に戻ろうとしたが、うしろにいた4人のうちの2人がだるそうにゆっくりと歩いて避けようとする私の前に立ちはだかった。
「はいはい逃げないのー。」
2人のうちの1人、背の高い道穂(みちほ)は私を上から目線で睨みつけ、片手で私の体を突きとばした。
私は少しよろめいたがすぐ体勢を立て直した。
「何とか言ったらどう?」
横から愛莉がバカにしたような言い方で言った。