ダイヤの原石
俺たちは人気(ひとけ)が全然ない森に囲まれた川原にいた。


「本当に・・・いいのか・・・?」


「うん、遥夏が家庭の事情でそんなに悩んでいるならあたしも同じ」


「・・・・・・・」


「言ったでしょ?


遥夏のすべてがあたしのすべてなんだって」


「そうだけど・・・」


「歩くときも一緒、どこにいても一緒、何をしてても一緒、あたしたちはいつも何かで繋がれているものね!


死ぬ時だって一人にさせない、



あたしも一緒に死ぬの」



歩夢・・・本気かおまえ・・・


おまえは確かにいつも一緒にいてくれた。



俺は確かにおまえを世界一愛していた。


でも、今は違う。


気がつけばあんなに好きだった気持ちが恐怖に変わっていたんだ。



俺を恨まないでくれ。
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