ダイヤの原石
「あいつは俺と錠剤を一緒に飲んで死んだはずだった。


だけどあい・・・「ちょちょっと待て!」



遥夏が話している途中に椿が話を止めた。


「一緒に飲んで死んだはずだったならなぜ今おまえがここにいる?



それに元カノも」



「俺は飲んだ振りして飲まなかったんだ。


あいつは飲んだけど奇跡的に生きていたらしい」



「え・・・そ、それじゃ・・・もしその子がそれで死んでたら遥夏犯罪者じゃない・・・」



私は口を覆いながら言った。


「そうだ遥夏!


おまえ何したか分かってそんなことしたのかよ!!!」



椿が目を見開いて遥夏の胸倉を両手で掴む。



「そうしないと俺が殺されてた!!!


それにもし犯罪者として数年牢獄にいれられようと俺はあの生活から抜け出せるならどうにでもなってよかったんだ!!」



遥夏が椿と同じぐらいの声量で答えた。



遥夏の声は少し震えて聞こえた。

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