ダイヤの原石
校門のほうにやっと着いてあたりを見回す。



やはりそれっぽい家はどこにも見当たらない。


「ないよ・・・?」



「待て・・・、どっかに・・・必ず・・・あるはずだ・・・」



遥夏が息を切らしながら言う。



「誰にでも見えるところにポツンとあるわけないだろ。



もう少し奥のほうに行ってみようぜ」



椿がそう言って遠くの木がいっぱいあるところを指さした。



森というか林というか、とにかく木がたくさんありすぎて日の光があまり差し込んでいないのか、そこは少し暗くて奥が見えない。



きっと奥にいくほど暗くなっていくだろう。



「ちょっと暗そうだね・・・」


「職員室にはたぶん懐中電灯があると思う。


俺が取りに・・・「私行く!」



素早く手を挙げて言った・


椿は驚いていた。



私はきっとこれから何にしても役に立たないと思う。
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