ダイヤの原石
だからこそ少しのことでも役に立ちたかった。
「じゃぁ頼む、気をつけろよ」
私は深く頷いた。
「それから怪しまれないように校門から行って来い!」
遥夏がそう言った。
「うん、分かった!」
私は全速力で走って校門から職員室へと向かう。
美樹、待っててね!
すぐに行くから!
廊下の角を曲がったそのときだった。
どん!と誰かに勢いよくぶつかった。
「きゃっ!」
相手が小さく悲鳴をあげた。
「ご、ごめんなさ・・・」
体勢を立て直しながら私は顔をあげた。
私は硬直してしまった。
そこには愛莉たちの5人がいた。