アイツは私の初彼氏
そして始まり
その日は、久々に平穏な朝を迎えた様に思えた。
「おはよーアキラ!」
「さお!おはよ」
昨日、私と克幸は結局あれから2人して学校をサボった。
といっても、いつものようにゲーセンに行ったり、カラオケに行ってみたり。
それは、今までと対して変わらない事だったけれど、私達には離れていた間を埋める大事な時間だったと思う。
「……で?昨日2人そろって学校休んでた理由、話してくれるんでしょ?」
声をひそめると、旭は私にグイッと顔を近付けてきた。
「あーうん、まぁ」
「何よ。歯切れ悪いわね」
「……克幸と、仲直りした」
「あら、良かったじゃない!でも、それだけ?」
「えっと……後は、付き合う事になった」
「そーなんだ。―――って、ええええー!!」
大声を上げた旭の口を、私は大慌てでふさぐ。
「ちょっ、声デカいだろ!」
「でも……えーっ?一体何がどうなってそうなったの!全然分かんない!」
「分かった分かった、説明するから」
私は机に乗り出す旭を押さえながら、昨日の事を話した。