アイツは私の初彼氏
「ふーん。まぁ何というか、やっとまとまってくれて私はホッとしたわ」
「何か親みたいだぞ、アキラ」
「そりゃもう!娘を嫁に出す気分ってヤツよ!娘いないけど」
「大げさだなぁ」
私達の関係が変化する事になったあの時、私はこんな日が来る事なんて考えてもみなかった。
それだけ私にとっては、驚きの変化と言える。
と、いうよりまだ実感ないよ。
アイツが彼氏だなんて……。
「……」
今日は克幸と待ち合わせて学食でお昼。
いつものように他愛ない話をするはずが、奇妙な沈黙が流れている。
理由は私の隣に座る、もう1人の存在。
「―――奏真」
「何?沙織ちゃん」
「目の前からすっごいニラまれてんだけど、平気なのか?」
私の前には克幸が座っていて、私の横でニコニコしている奏真を恐ろしい形相でにらんでいる。
「ああ、俺なら全然気にならないから。お構いなく!」
「いや、さすがにそれはムリ……」
「沙織ちゃん、早く食べないと時間終わっちゃうよ?」
「お前な……」