アイツは私の初彼氏
……。
………。
「ええっ!」
思わず、ガタンと派手な音を立てて立ち上がってしまった。
おかげで周囲の視線が突き刺さる。
私はそーっと座り直し、困った顔で旭を見た。
恥ずかしさやらなんやらで、顔が熱くなるのを感じる。
「そんな事言われたって私、克幸の事なんて兄弟くらいにしか思ってないし」
「……でしょうね」
「克幸もそんな素振りは今まで何も、」
「気付かなかっただけじゃない?」
そう、なのか?
今まで克幸とたくさん遊んだし、話しもしてきたけど普通だったぞ?
「あるいは……本人は隠してきたつもりだったのかも」
「何で、そんな事がアキラに分かるんだよ」
一番近くにいた私に分からないのに。
「近くにいるから分からないって事もあるわよ」