アイツは私の初彼氏


……。

………。



「ええっ!」

思わず、ガタンと派手な音を立てて立ち上がってしまった。

おかげで周囲の視線が突き刺さる。

私はそーっと座り直し、困った顔で旭を見た。


恥ずかしさやらなんやらで、顔が熱くなるのを感じる。

「そんな事言われたって私、克幸の事なんて兄弟くらいにしか思ってないし」

「……でしょうね」

「克幸もそんな素振りは今まで何も、」

「気付かなかっただけじゃない?」


そう、なのか?

今まで克幸とたくさん遊んだし、話しもしてきたけど普通だったぞ?

「あるいは……本人は隠してきたつもりだったのかも」

「何で、そんな事がアキラに分かるんだよ」

一番近くにいた私に分からないのに。

「近くにいるから分からないって事もあるわよ」



< 16 / 116 >

この作品をシェア

pagetop