アイツは私の初彼氏


 その日は一日中、旭に言われた事ばかり考えていた。

おかげで数学や古文が頭に入ってきやしない。
そりゃまぁ、もともと得意じゃないけど。


克幸と私は性別で言えば確かに男女だ。

でも気持ちは男同士くらいのものだった。


アイツは違ったのか?


いくら考えても、やっぱり分からなかった。




 ホームルームが終わった直後、私は教室を飛び出した。

部活に行く前の克幸を捕まえるためだ。

ぐずぐず考えているのは私の主義じゃない。
真っ向勝負あるのみ!


廊下を走り、C組からA組の後ろの扉まで急ぐ。

見れば、A組は先に終わっていた様で他のヤツらがまばらに教室を出始めていた。

「克幸っ!」

私は、その中に見知った後ろ姿を見つけて叫ぶ。

周りのヤツらが振り返ったがそんな事気にしていられるか!



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