アイツは私の初彼氏


「まずはさ、付き合うのが先だと思うワケ!」

「げっほ!ごほ!」

かお姉の発言に更に私はむせる事になった。

しお姉は『それもそうよね』と満足そうだ。

ったくホントにこの姉達はっ!

「アンタ達は口を開けばそんな話ばっかりなんだから」

私の隣に座る母さんが呆れた口調でそう言った。

やっぱり、この2人を止められるのは母さんだけだよな。

「だいたい、かっちゃんは生まれる前から沙織の許嫁なの!」

はぁあ!?
ちょ、母さんまで何言ってんだよ!

そんな話自体、初耳だっての!
てか今時許嫁とかないから!


その時、父さんが音を立てて新聞をたたんだ。

家族の視線は自然とその方へと向く。

父さんはその視線をたっぷり味わった後、言った。

「父さんは、克幸くんをすでに息子だと思っている」

そしてそのまま『行ってくる』と、家を出ていった。

ホントもう、ウチの家族って……。



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